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Vol.2 たかが美容?
「私は素肌に口紅だけで毎日過ごせるようなお年寄りになりたいんです。」というのが、熱心にサロンにいらっしゃるMさん(64)の口癖である。どんなお化粧品をつかっても解消できなかったお顔のくすみや乾燥が、モイスティーヌ基礎美容法を初めて2ヶ月もしないうちに改善をみた、結果が出るのがたいへん速い部類に属する方だ。もちろんまだ決して「お年寄り」ではない。

思い返せばコンディショナーを使い始めて1週間で右頬に大きなニキビができ、肌の新陳代謝がメキメキと上がってくるのがはたからも手に取るように解ったものだ。そんな前向きの彼女だが先日お話をうかがっていると、「実は今日、主人が腰を痛めて寝込んでいて、サロンに出かけようとしたら『そんなに美容が大事か?』とイヤミを言われてしまったのよ。」と少しお顔を曇らせていらっしゃる。
彼女は日頃から自治会のボランティア活動に大変精力的に取り組まれており、一人暮らしのお年寄りが病院に行く際に車の運転や付き添いを買って出るなど大変お忙しい日々をお過ごしで、そのような中でなんとか時間をやりくりしてモイスティーヌ基礎美容法に取り組んでおられる。私もそのご主人のコメントにその場ではただ苦笑するしかなかったものの、心中何とも消化しきれない疑問を感じていた。
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私の疑問は、もし『美容』『健康』に置き換えて『そんなに健康が大事か?』という風に聞かれることがあるだろうか?ということである。私が常々大切に思っているスキンケアの道作りとは、まさしく健康と表裏一体のものとしての美容の観点に立つものである。そのような視点に立つ根拠として、次の二つを挙げることができる。1)我々の皮膚生理と神経系には発生学的に密接な関わりがあること。2)西洋医学のデータでは表面化しない段階の体の変調が、肌の状態に反映されていることがままあること。以上の2点である。

image 美容が女性としての『たしなみ』だとか他人に不快感を与えないための『礼儀』のようなものであった時代が長く続いたため、女性が自分自身の健康をいきいきと維持し、輝いて社会とつながっていくという主体的な目的を持った『美容』という認識は、まだまだ一般的ではない。「ファンデーションなしの素肌の美しさを手に入れる」ということが、若い世代にもかなり新鮮に受け取られるというのが実情である。

西洋医学はもちろん現代人の平均寿命をここまで引き延ばしてきた功績から、我々にとって大変恩恵のあるものであるが、自分の体験からも体の変調をあちこちの医者に訴えても治療の対象とはならずに悩んだ時期があり、同じくヘタに体力に自信があるばっかりに、ストレスを一人で抱え込んでいる女性を見るにつけ、是非正しいスキンケアを通して自分で自分を「いたわる・癒す」ということに興味を持ってほしいと痛感することが多々ある。
電話帳でも『美容院』と『病院』は隣り合っているのだ。それぞれの足りない部分を補い合うような形での『美容』あるいはスキンケアについての多くの関心を、性別・年齢にかかわらず呼び起こしていきたいというのが私の願いである。


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