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Vol.5 もずが枯れ木で

都内でもイチョウの葉が黄色く色づき始め、まもなく落葉のシーズンを迎えようとしている。先日ふらりと軽井沢へ紅葉を見に行った。軽井沢は標高が1000m程あり、気温が平地より約5℃低い。すでに夜はストーブなしでは過ごせないほどの冷え込みであった。カラ松林モミジが秋の日差しに照り映えて、すばらしい散策の一日を過ごすことが出来た。


軽井沢ですっかり秋の気分に浸って帰京した後、秋の夜長に楽しもうと自由が丘の新星堂で「小さい秋みつけた」を含む日本歌曲集のCDを購入した。有名なサトウハチロー作詩の童謡であるが、歌詞が印象的なわりにこどもの時分には覚えにくく、改めて聴き直そうと思ったのだ。この歌詞で私の大好きな部分は「お部屋は北向き くもりのガラス うつろな目の色 とかしたミルク」というくだりだ。何ともいえず異次元的な響きで、子供の頃に読んだ絵本に登場する、北風のマントを着たガラスの少女の挿絵を思い出す。この絵本の題名も忘れてしまった。なぜこのような大事な情報を私の脳は引き出しの奥深くにしまい込んでいるのだろうと嘆かわしくなる。 紅葉イメージ

鳥イメージ
さて話は逸れたが、そのCDには他にもサトウハチローの詩になる「もずが枯れ木で」が収録されている。この歌は実にしみじみと聴きいってしまう内容を持っている。「もずが枯れ木でないている おいらは藁をたたいてる 綿挽車はお婆さん ゴットン水車もまわってる」と始まる歌だ。何もかも去年と同じ秋の風景なのだが、ただ一つだけ兄が薪を割る音がしないという内容だ。その兄は兵隊にとられ今満州にいる。
穏やかな秋の農村風景と兵士として戦地にある兄への想い。イラク戦争の泥沼状態を見るにつけ、すべての兵士の家族も現在まさに同じ思いで秋を迎えているのだと思うと、何ともやりきれない気持ちになる。

いのちに深く関わる女性達の意識が真の意味で変わることが、おおげさでなく地球や人類の近い将来を大きく左右していくと私は信じている。女性が深く関心を持つ美容に携わるものとして、イメージやメディアに振り回されず本質を見抜く目を共に育てていくこと、そして「いのち」やそれを含む宇宙の美しさについて平易に、しかも深く語ることばを紡いでいくことの意味をいつも問い続けていきたいと心から願う。


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