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Vol.44 天体観測温泉

10月上旬の連休に、群馬県嬬恋高原へ一泊で遊びに行きました。そこは標高が1200メートル以上もある山の峠のようなところで、周囲には一面にカラ松や白樺の森がひろがっています。ゴルフ場とホテルの他には何の建物もありません。夜はもちろんまっくらで、レストランのテラスのえさ箱にはタヌキがこっそり餌をもらいに来るとのことでした。

このホテルには浅間山を一望できる露天風呂があります。お湯は透明のナトリウム泉で、さすがにお隣の万座や草津温泉にはかないませんが、眺望はちょっと他にはないくらいの素晴らしさです。夕方は西日がまぶしくて、私はラウンドを終えたばかりのゴルフマダム達に遠慮して、隅の方で短時間つかっただけでしたが、夕食後にもう一度行ってみることにしました。パパと男湯に入るネコ隊長が、「もしお風呂に誰もいなかったらお互いに合図しよう!」と提案し、合い言葉は「ふもふも」にしようということになりました。ちなみに、「ふもふも」はネコ隊長が大事にしているぬいぐるみの名前です。

女湯には私の他には誰もいませんでした。この日は一日中乾燥した晴天だったのですが、お風呂につかりながら夜空を見上げてみると満天の星空です!こんな星空は久しぶりに見るなあと、すっかり興奮した私は我を忘れ、隣の男湯に向かって「フモフモ!フモフモ!!」と呼びかけました。一方、男湯にはその時たくさん人がいたのですが、それにまったく気が付かない私は、何度も大声で「フモフモ!」と繰り返し叫んでいました。お風呂から上がった後、「ボク、すっごくはずかしかった・・・」とネコ隊長からひとこと不平を言われましたが、星空のすばらしさに興奮していたのはネコ隊長もパパも同様でした。

秋冬は空気が乾燥しているため、天体観測にはもってこいの時期です。ただし、空気の澄んでいる高原などでは、夜間気温がとても低くなるため、長時間の観測にはかなりの覚悟が必要となります。ただでさえ寝不足に弱く、夜9時にはふとんに入ってしまう私は、最近天体観測と言えば双眼鏡で月を見るくらい。高校2年の夏に乗鞍高原で、素晴らしい星空を見て自然科学の道を志した私としては、何とも言えず物足りないような気持ちを、NASAのホームページにあるハッブル望遠鏡からの天体写真などで埋め合わせるくらいが関の山でした。

ここなら温泉につかったまま、寒さを感じることなくとことん星を眺めることが出来ます。もちろん肉眼でも十分満足ですが、双眼鏡があればなお良いでしょう。露天風呂に双眼鏡を持ち込むにはかなりの勇気が必要ですが、シャワーキャップにくるんで隠し持って行こうかなどと思案しています。是非またオフシーズンにあの温泉を訪ねて、天体観測をしたいものです!



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