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時空の話2
2006/02/27 Mon. 16:28
 わたしたちは自分ではそれと知らずに、地球ごと、太陽系ごと、そして天の川銀河系ごと、絶えず猛スピードでぐるぐる回転しています。そのスピードはすさまじく、何もわざわざ暴走族に入らなくても十分スカッと出来るほどの速さです。

 では、具体的に数字をあげてみましょう。
1.北緯36度に位置する東京都にいる人は、1秒間に300メートルも西から東へと移動しています。これは地球の自転のためです。赤道上にいる人はさらに速いスピードで動いています。
2.地球は太陽の周りを1年かけてひとまわりしますが、これは1秒間に30キロメートル移動するというすごいスピードです。
3.太陽は、地球を含む金星や火星や木星などの惑星たちを従えて、太陽系ごと、銀河の中心にあるブラックホールの周りを、1秒に220kmという猛スピードでまわっています。太陽系全体が、銀河中心の周囲をぐるぐる回っているのです。
4.わたしたちの銀河系(天の川銀河)は、240万光年離れたアンドロメダ銀河M31に徐々に吸い寄せられており、数十億年後には衝突する予定です。その接近のスピードは1秒に100キロメートルにもなります。

 こんなにぐるぐる回り、あるいはびゅんびゅん飛ばしていても、なぜわたしたちは目が回らないのでしょう?とほうもないスピードを示す一連の数字には、十分めまいを感じるのですが・・・。

 ところで話は変わりますが、最近のビデオカメラには、たいてい手ぶれ防止機能がついています。そのおかげで、手や腕の筋肉の微妙なぶれを原因とする画面の揺れを、ある程度補正して映像を見やすくすることが出来るようになっています。

 それと同じようにわたしたちの脳は、さまざまな回転運動を補正する究極のめまい防止機能を持っています。それは偶然にも数学の一分野である「幾何学」として成長しました。その幾何学には、まわっているのは自分ではなくて相手だと主張しても、まったく矛盾が生じないという性質があります。地球が静止していて太陽が地球の周りを回っている、あるいは太陽系が静止していて銀河系の中心がわたしたちの周りを回っている、としても全く差し支えないということを、それは保証します。地球も太陽も、自分なりにまっすぐ進んでいるにもかかわらず、時空そのものが歪んでいるため進路が曲がってしまうのです。このように一見特殊な時空の幾何学を、アインシュタインの一般相対性理論は簡潔に記述しています。

 ちなみに、宇宙はそれ自体が膨張しているのが観測されているのですが、反対にわたしたち自身がどんどん小さくなっていると考えても差し支えはないはずです。この宇宙がはじまったビッグバンの瞬間には、全宇宙がひとつの点だったのですから、わたしたちもずいぶんとまあ小さくなったものです。

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