先日はお手紙ありがとうございました。
福島第1原発のメルトダウン以来、大気や海水にばらまかれてしまったたくさんの放射性物質の、健康への影響についてのご質問を真剣に受け止めております。
ところで、「わからないことは専門の科学者に聞く」のが一般的に常識だと考えられていますが、実はこれは大きな勘違いだと私は日頃から思っています。
実際のところ、科学者はなんにも知らないのです。
いわゆる「専門家」とよばれる人たちももちろん同様です。
今回の事故で、あれこれと文献をあさって調べてみてはじめて気づいたのですが、チェルノブイリという大きな事故を経験していながら、この事故が周辺住民に与えた健康被害についての系統的研究が、ほぼ全くといってよいほどされていないのです。
今から考えれば、何ともったいない〜!!という話ですが、確かに長期的な疫学研究には、多大な予算と人手が必要で、チェルノブイリ事故はたまたま旧ソ連圏で起きたために、ほとんどあり得ない例外的な事件として、ヨーロッパの人々の間にも、親身になって研究に取り組もうとする熱意が生まれにくかったのでしょうか?
このあまりに熱意のない科学者たちのありさまに、私は「くさいものにふた」という態度を感じてしまうのですがどうでしょう。
ただしもちろん例外的な人もいます。下記はNatureからの引用です。
私も本当にその通りだと思います!もちろん福島からも我々は多くを学ばないと!
さて、私にとって最も興味深かったのは、Smithさんの次のコメントです。
つまり、絶望感や大きすぎる不安感の方が、アルコール等の薬物依存症などを通じ、より深刻な健康被害をもたらすことがあることを、まずは広く人々に知らせる必要があると思うのです。
まさに「病は気から」。しかしこれは一つの真理ではないでしょうか?
私自身は、毎日ラドン温泉につかっていると思って、放射線のことはあまり心配しないよう、家族には伝えています。放射線への被爆による長期的影響が明らかになるには、今後さらに数十年間にわたる研究が必要です。ですから、もし、今すぐ私たちが自分たちの身を守るためにできることは何か、と聞かれたら、おそらく私は、
「必要以上の不安や恐怖心、絶望感などを自発的に消すこと」
と答えます。私は常々、不安の根源は「あり得なかった過去と、あり得るかもしれない未来」という妄想だと確信しています。これらは実際私たちが、勝手に自分の頭の中にだけ作り出す、単なる記号あるいはイメージです。金輪際無駄なものです。
そして話は変わりますが・・・
先日、我が家のメダカ水槽に6匹赤ちゃんがうまれました!
メダカたちには申し訳ないのですが、我が家のメダカは一時期、あえてヨウ素131に汚染された水道水も使って育てていました。ですから、すくなくとも現在までの都内の水道水レベルの汚染では、生態系にはそれほど深刻な影響を与えていないというサインだと、私は受け止めています。
目に青葉、水槽にメダカの赤ちゃんなど、自然界のしっかりした健全な営みに、わたしたちももっと大きな信頼感を寄せてもいいのではないでしょうか?
そのために、まずは冷静な目でコトを見極めることが一番大事ですよね。
さゆりさんも、まだ小さいお子さんを育てている最中でもあり、迷いや不安がたくさんあると思いますが、どうかそれに押しつぶされないよう。肝っ玉母さんでいてください!
それではまたお会いして、おおいに井戸端会議に花を咲かせましょうね。