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雪の話1
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2006/01/13 Fri. 13:19
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先日、およそ8年ぶりにゲレンデに行きました。最近主流のスキー板はカービングスキーといって、両端が丸く太くなっている短いスキー板です。カービングスキーは操作性が良くて大変スピードが出ます。ゲレンデが平日ですいていたのもあり、1000メートルほどのゲレンデを猛スピードで一気に滑り降りるのが楽しくて、4日間も続けて滑っていたところ、家に帰ってからも車酔いのようなめまいが止まらなくなってしまいました。
スノーボードの人気もたいへんなものです。ハーフパイプで空中回転をしている若者は、まるで忍者・猿飛佐助のようです。スノーボードはサーフィンとどこか通じるものがあるそうです。どちらも何とも言えない浮游感がたまらないといいます。
ところで、雪や氷の上は何故あんなに滑るのでしょうか?
水が凍って出来る氷や雪は、熱すればまた水に戻ることはよく知られています。一方、水は凍ると体積が増える性質があります。そのため寒い地方では、うっかりすると家の水道管が凍って破裂してしまうことさえあります。水は冷えて、増えて、固まるのです。この過程を逆転すれば、氷は圧力を加えて体積を減らすと水に戻すことができます。このことは簡単に実験してみることが出来ます。例えば氷の固まりに糸を載せ、その糸にバケツをつるして水を入れていくと、バケツの重みが糸の真下の氷にかかります。するとその部分だけ氷が溶けて、糸が氷の中に入っていくのです。糸が通ったあとの部分はすぐまた氷に戻るため、バケツをはずせば氷のペンダントができあがります。
あまり知られていませんが、スキーやスケートのエッジに人の全体重をかけることにより、その真下の氷や雪は水になっているのです。削られた氷の温度が上がってとけるのに加え、圧力がかかるだけで温度はそのままでも水になるのです。つまり、エッジと氷の間には常に水があり、わたしたちはスキーを履いて、実際は水の上に浮かんでいるのです。滑ったあとはまわりから冷やされて、すぐにまた氷に戻ります。ちなみにスキーは水はけを良くするため、板の裏面に細かい溝を刻んだり、ワックスをぬったりするのです。
カービングスキーで私が感じた何とも言えない浮游感は、本当に水に浮いている実感なのです。
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