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地球の話1
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2005/09/20 Tue. 14:02
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もうすぐ秋のお彼岸です。お墓参りに行くと、実に様々な石が墓石に使われているのを見ることが出来ます。
墓石の代表は御影石(みかげいし)です。その材料は火成岩と言って、火山の下などで高い熱と圧力によって自然がつくり出した岩石のひとつです。火成岩には、御影石の材料になる花崗岩(かこうがん)の他にも、安山岩(あんざんがん)や玄武岩(げんぶがん)など、住居や造園に使われているものがたくさんあります。これらの石材は、雨や風に打たれても、長い期間変化を受けにくいという性質があります。それで大切な先祖の魂を祭る墓石に選ばれたのでしょう。石にはまた、ダイヤモンドなどの宝石もあります。これにもやはり永遠不滅というイメージがあります。だから結婚指輪に使われたりするのでしょう。このような岩石や宝石を産み出す地球の大地、それこそまさに頑丈でどっしりして固いというイメージがあります。
大地は地球の殻(から)です。それで地殻と呼ばれます。その厚さはおよそ10km〜30kmほどですが、それは地球の中心までの距離の0.3%でしかありません。ちなみに富士山の頂上は海抜3kmであることを思い出せば、地球の大きさがおぼろげに感じられます。これまでに人間が掘った1番深い穴は、おそらく石油を掘るためでしょうが、およそ10kmに過ぎず、海の底も1番深いところでやはり10kmほどです。
大地や海底をつくっている地殻の下には、マントルと呼ばれる固まりが、地下およそ3000kmまで続いています。マントルは固体ですが柔らかいものだそうです。私は見たことがないのでわかりませんが、バターのようなものかもしれません。
地殻とマントル上部をあわせた、厚さ70km〜150kmの部分はプレートと呼ばれます。プレートは14枚に分かれていて、互いに勝手な方向に年間数センチほど動いています。それで地震が起きるわけです。またマントルが、山の重みなどによって部分的に熱せられると、溶けてマグマになります。それが時たま火山の噴火という形で地表に噴出するのです。マグマがおとなしく地中にもぐっているときは、その周りの地下水が適度に熱せられて、わたしたちは温泉を楽しむことが出来ます。
さらにその下の、地下3000km〜5000kmの場所には、熱く溶けた鉄やニッケルが主成分の核があります。ここにある鉄は、溶鉱炉の中のようにどろどろした状態ではありません。ほとんど粘りけがなくさらさらした鉄が、鍋でお湯を沸かすときのように流れているのです。つまり、あたためられて上昇し冷えて下降する、あの対流と呼ばれる流れです。地下6300km、地球の中心部分近くまで来ると、ようやく鉄はものすごい圧力のために固まっているそうです。地球の中心には鉄の芯があるのです。
わたしたちの足下は、わたしたちが持っているイメージとはかけ離れた、さわがしい世界です。
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