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大気の話
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2005/08/13 Sat. 08:14
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地球のまわりは大気と呼ばれるガス(気体)で覆われています。ガスのある場所は大気圏と呼ばれ、高度500km以上に達します。地球の大気は窒素や酸素が主な成分です。
大気圏は高度によって4種類に分類されます。地上から高度10kmまでを対流圏、その上50kmまでを成層圏、80kmまでを中間圏、800kmまでを熱圏と呼びます。
わたしたちに最も身近な場所は対流圏にあります。飛行機に乗っているとき、わたしたちはぎりぎり対流圏の上部にあたる高度10km付近を飛んでいます。これは富士山の約3倍の高さです。また、空に浮かんでいる雲はすべて対流圏にできます。大気を構成するガスの8割は対流圏に属しています。ちなみに、スペースシャトルはおよそ高度400km、つまり大気圏のほぼ中間あたりを周回しているそうです。
対流圏では高度が増すごとに気温が下がります。100mごとに0.65℃下がるそうです。高度10km付近の気温はおよそマイナス70℃です。飛行機の窓がもし開いたらみんな凍ってしまいます!
それより高度の高い成層圏では反対に気温が高度と共に高くなります。高度50km付近の気温はマイナス15℃から0℃くらいです。けれどもここには危険な紫外線がふりそそぎ、とても生命がそのままで生きていける場所ではありません。あらゆる分子が紫外線によって電子をはぎ取られてしまうからです。
このように恐ろしい紫外線を吸収してブロックしてくれるありがたい分子があります。オゾンです。オゾンは高度20〜50kmにまんべんなく存在しますが、一番濃度が濃いのが高度20〜25km付近で、このあたりがオゾン層と呼ばれています。
最近よく耳にするオゾンホールとは、南極など極地に近い場所の上空で、このオゾンが破壊され極端に少なくなってしまうという現象です。オゾンが少なくなると危険な紫外線が大気を素通りしてしまいます。そのような紫外線はわたしたちの大切な遺伝情報を担うDNA分子をも破壊してしまうのでたいへんです。オゾンが減った原因は、大気が薄くなったせいではなく、オゾンを破壊する分子をわたしたち人間が大気中にたくさん放出してしまったからです。それは今では使用が禁止されているフロンというガスです。
ところで太陽系の他の惑星には大気があるでしょうか?太陽に一番近い水星は大気を持ちません。金星や火星には二酸化炭素の大気があります。けれども金星の大気の重さは地球の90倍もあり、反対に火星の大気は地球の100分の1以下と非常に希薄です。いずれも重力が大きすぎたり小さすぎたりするのが原因です。大気を星のまわりに引き留めているのは、その星の重力だからです。
地球にオゾンを含んだちょうど良い量の大気があって、わたしたち生命が存在できるのは、地球の重力の大きさと太陽からの距離がちょうどいい関係にあるおかげなのです。人間がこの大気の微妙なバランスを崩すことは、まさに天に唾するしわざだと言えます。
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