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原子のかたさ
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2005/07/27 Wed. 06:31
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この宇宙にあるすべての物質をつくっているのは、たかだか110種類ほどの原子と呼ばれるものです。原子の大きさはたいへん小さく、100万個並べてようやく1ミリメートルになる程度の大きさです。この原子は、プラスの電気を持つ原子核と呼ばれるかたまりと、それをちょうど打ち消す数だけのマイナスの電気を持つ電子で出来ています。
原子が梅干しだとしたら原子核はその種のようなものです。ところがこの種は全体のたった1万分の1の大きさでしかありません。そして電子はさらに小さく、全部合わせても種の1万分の1の重さにしかならないのです。このように原子の中身は実にスカスカです。
ところでプラスとマイナスの電気を持つものの間には引力が働きます。スカートのまつわりつきも同じ引力によります。原子を構成するプラスの電気を持つ原子核とマイナスの電気を持つ電子の間にも、当然引力が働くはずです。
それではなぜ原子核と電子が引きあって原子はつぶれてしまわないのでしょう。原子がかたさを持つのはいったい何故なのでしょうか?
実は、原子の内部に入ることの出来る電子の状態は、あらかじめ指定席のように決められています。電子は低いエネルギーから順々にこの指定席を埋めていきます。この際、2つの電子が同時に1つの席を埋めることは決して出来ないという特殊な事情があります。
電子の指定席に割り振られた総エネルギーは、プラスの原子核がマイナスの電子を引っぱる電気的エネルギーとちょうど釣り合っています。電子の席が定員1名に限定されていることが一種の斥力として働き、そのため原子はつぶれずに存在できるのです。
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