ところで、ねこもんは5時半頃いったん部屋に戻ったもののお腹が空かないと言って、せっかく焼いたステーキに手をつけようともしない。何故かと思ったら、オレオを買って一箱食べて来たとのこと。私はカジキをバター焼きにして、ワクワクしながらワインを開けた。ワイン・オープナーも念のため買ってきて良かった!ようやく食べ始めたところで、スティール・パン演奏の見学に出かけると言って、また出て行こうとするので、もぐもぐしながらあわてて何時に戻るのか聞いたところ、言葉を濁していたのが怪しかった。しかもパスポートも財布も部屋においたままで、ホテルの部屋の鍵だけ持ってさっさと出て行ってしまった。
その後、ねこもんは夜10時近くなってもまだ戻らない。だんだん心配になり、バークリーの事務局の緊急連絡先に電話しようか、とさえ思ったが、電話は受付で貸してもらわないと部屋にはない。受付は夜9時ですでに無人になっている。部屋の鍵も手許にないので表通りの公衆電話に行くこともはばかられ、ジリジリして待つ。よし10時30分まで待って帰らなかったら、国際ローミングでiPhoneから電話しよう、通話料1分140円くらいするけど!と腹を括る。するとちょうど10時30分に玄関ドアがガチャガチャいってねこもんが帰ってくる。
何してたの?遅いじゃん!?と言うと、JAZZのジャム・セッションにも参加して来たとのこと。まったくの手ぶらで?大胆すぎないか?10分くらいとはいえ、夜道をひとりで歩いてて大丈夫だったの?と聞くと、「まだ人多かったよ。」と何でもなさそうにうそぶいている。さすがに私も腹が立って、アメリカの犯罪発生率を舐めたらいかん!などと、くどくど小言をいいかけたが、耳もかそうとしない。
シャワーを浴びてさっさと寝てしまったので、日本で留守番している夫にメールで相談しようと思う。その夜はまた時差で眠れず。4:50amから少しウトウトしたと思ったら、もう7時のアラームがなる。
朝ごはんの時、夫から返信がきて「せっかくだからセッションにも参加させてあげられませんか?タクシーで帰るのはどう?」という内容。この親にしてこの子ありだ!でも確かにあとひと晩だしと私も妥協して、今夜はセッションの間校舎の近くのBarで待ってるから、一緒に帰ろうと提案する。いいよ、と何でもなさそうに言うけど、「私は寝不足なので夜10時過ぎまで外で待ってるのはしんどいのだ!」と怒鳴りたくなるのをぐっとこらえる。